保険証の資格を即確認!オンライン資格確認を導入の歯科医院へインタビュー
今回、オンライン資格確認についてインタビューにお答えいただいたのは福島県郡山市に開業のうすい歯科医院の薄井隆院長です。当初、伝え聞いていた印象から、導入は先のことと考えていたそうです。しかし詳しく調べるなかで、あることがきっかけとなり早期導入へ舵を切ったそうです。本記事ではきっかけとなった要因や、導入後の運用、実務に関わるスタッフの声などについてインタビューを行いました。また今後、オンライン接続することで利活用が見込まれる「薬剤情報」や「特定健診」についても、現時点の感想を伺いました。
厚生労働省からは2023年4月の導入を原則義務付けという方針が示され、今後オンライン資格確認の導入に不安な点がある方も多いかと思います。このような現状で、すでに運用を開始されているからこそわかるオンライン資格確認の実利用について、薄井院長にお話を伺うことができました。ぜひご覧ください。
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--早期に導入しようと思われた理由はなんですか?
当初、オンライン資格確認はマイナンバーカードが保険証の代わりになることが強調されアナウンスされていましたし、普及もしていなかったので、導入はまだ先でいいと思っていました。しかし、オンラインで保険証の資格確認ができることをあらためて知り、それがきっかけとなりました。当医院はレセプト枚数が多いこともあり、月の途中で保険証が変わったり、資格喪失などによるレセプトの書き直しが毎月数件ありました。それがオンライン資格確認をうまく運用することで完全に無くなるかはわからないが、かなり減らせるという事がわかり、急いで導入しました。
--実際に導入した結果、スタッフの反応はどうですか?
新たに導入するシステムなので、最初のうちは受付スタッフも慣れません。しかし、今まで保険証OCRで保険証の読み込みを行っても、住所などの修正は手作業が必要だったものが、オンライン資格確認では保険者に登録されている正しい情報を取得するため、修正作業が必要なくなるので、使い慣れたらとても喜んでいます。保険証を読み込んで確認するだけなので、新患登録のスピードが劇的に早くなり、しかも住所や番号の入力ミスも起きないのは驚くべきことです。将来、新しい受付スタッフが入った時は、操作や入力の仕方を教える必要があるが、入力ミスなどはほぼ無くなるはずなので、早期の導入がおすすめです。このシステムに慣れてしまうと、無い状態には戻れません。受付業務の流れを大きく変えるゲームチェンジャーくらいインパクトのある、ありがたいシステムです。
--10月から運用が開始される「薬剤情報」、「特定健診」の閲覧は利用しますか?
--「薬剤情報」、「特定健診」の閲覧は利用しますか?
初診の患者さんが"おくすり手帳"を持って来ていなければ、服用している薬の確認ができません。いろんなお薬を服用している患者さんの場合、毎回ではないが、処置によっては「次回"おくすり手帳"を持ってきた時に」という事にもなります。薬剤情報の閲覧ができることで、そういった「確認ができないから次回」という事が無くなるのはありがたいです。
特定健診の閲覧については、薬剤情報とは違い、わざわざ健診結果の紙を持参するようにお願いするという事をしていませんでした。ですが、血圧や血糖値などを患者さんに聞かなくても、糖尿病であるという事などがわかるのは良いと思います。実際に使ってみるまでわかりませんが、これらのような事ができるのとできないのとでは、できたほうが良いです。
確認の手段が今までアナログ(おくすり手帳、患者さんへのヒアリング)であったものが、オンライン資格確認によりその場でわかるというのは、患者さんにとっても、医院側にとっても非常にメリットになります。全ての患者さんに必要なわけではないが、必要な時にすぐわかるというのが、非常に便利です。
--早期のシステム導入を勧めますか?
国がマイナンバーカードの普及に力を入れており、さらに運転免許証も含まれることが始まれば相当普及すると思います。そうなれば国民の多くがマイナンバーカードを持ち歩くことになり、保険証として使える状態にすることが予想されます。そのような状態になるのは数年先でしょうけれども、その時に、受付のオンライン資格確認で簡単に資格情報の確認ができるというのは、すごく便利なシステムとなります。
これがもし、マイナンバーカードを読み込めるだけのシステムであれば、導入を急ぐ必要はないと思っていました。しかし、国がマイナンバーカードを保険証として使用できるようにするとアナウンスをしていますし、来院された患者さんに「あれ?できないんですか?」と言われてしまう可能性があります。となれば、オンラインで保険証の資格確認ができるというのは、すぐにでも利用できたほうが良いので、早めに導入して運用に慣れておいたほうが良いと思います。
インタビューを終えて。
オンライン資格確認の導入にあたっては、手続きやハードの設置などのハードルを度外視してでも、保険証の資格確認がオンラインで行えるということが受付業務において大きなインパクトがあると語る薄井院長。 薄井院長自身が能動的に情報収集を行い、確信をもって導入の判断をされており、その結果として、作業の効率化をはじめとする、さまざまなメリットを医院内にもたらしています。
また、国がマイナンバーカードの普及に力をいれていることは周知の事実です。いずれは普及することを見越し、導入してないことで機会損失となるくらいなら早々に導入して、運用に慣れておいた方がよいという考え方。それが患者さんにとっても良い判断という患者ファーストのアイデンティティーを感じました。
とはいえ、何から手をつけていいのかとお悩みの方には、弊社でもオンライン資格確認の情報提供やスムーズな導入サポートなど、ご相談を随時受け付けています。不明な点や悩まれている事などがございましたら、まずはお気軽にお問い合わせください。